-短く解説-
生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯になりうる菌が口内に存在せず、キスや食器の使い回しなどで虫歯菌を獲得していく
赤ちゃんの口内に虫歯菌が存在しない理由
赤ちゃんが母体内にいる間は完全に無菌状態に近いため、生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内は、菌がほとんど存在しない状態です。出生後も、赤ちゃんは外部からの感染が少ないため、口内に虫歯菌が存在しないのです。
虫歯菌であるミュータンス菌の主な特徴
◇糖分をエサにする: ミュータンス菌は食事から得た糖分を分解し、酸を生成します。この酸が歯のエナメル質を溶かし、虫歯を引き起こします。
◇歯の表面に付着: 菌は歯の表面に付着し、プラークを形成して長期間留まります。
大人から赤ちゃんへの虫歯菌の移行
赤ちゃんに虫歯菌が移る主な経路は、大人からの接触です。以下のような状況が虫歯菌の移行を引き起こします。
◇口移し: 大人が赤ちゃんに食べ物を口移しで与えると、大人の口内にいるミュータンス菌が赤ちゃんに移る可能性があります。
◇キス : 大人が赤ちゃんに口付けをすることで、菌が伝播することがあります。
◇共用の食器やおもちゃ: 大人が赤ちゃんと同じ食器やおもちゃを使用することで、菌が移ることがあります。
虫歯予防のための具体的対策
赤ちゃんの口内に虫歯菌が移らないようにするためには、以下の対策を講じることが重要です。
◇口腔ケアの習慣: 赤ちゃんの歯が生え始めたら、毎日柔らかいブラシやガーゼを使って、歯と歯茎をやさしく清潔に保ちます。これにより、歯に付着したバイ菌を減少させることができます。
◇成人の口腔衛生の徹底: 家族全員が定期的に歯を磨き、虫歯や歯周病の治療を受けることで、赤ちゃんに虫歯菌が移るリスクを減らすことができます。特に虫歯や歯周病がある場合は、適切な治療を受けることが重要です。
◇食事や飲料の管理: 赤ちゃんに食べ物や飲み物を与える際は、口移しを避け、清潔な器具や食器を使用します。また、甘いものや糖分を多く含む食品は控え、赤ちゃんの歯の健康を守ります。
◇定期的な歯科検診: 赤ちゃんが生後6ヶ月を過ぎた頃から、歯科医に相談し、早期に口腔内のチェックを受けることが推奨されます。これにより、虫歯のリスクを早期に発見し、対処することができます。
教育と意識向上: 家族全員が虫歯の原因や予防方法についての知識を持ち、意識的に行動することで、赤ちゃんの口腔健康を守ることができます。